お題:0からの
『また0からの関係』
友達が交通事故にあったらしい。
ココ最近来なくて心配だったけれど、先生から何も教えて貰えず、LINEの既読も付かなくてなんにも知らなかった。怪我は全て治り、今日の午後から学校に登校してくるらしい。
学校に来れるならば、特に大きな事後遺症などもなさそうで良かったのかもしれない。
LINEの既読が付かなかったのは、事故で壊れてしまったとかだろうか。
先生が教えてくれなかったのは何故だろう、先生は知っていたはずだろうに。
友達が登校してくるのを楽しみに、午前中の授業を頑張ろう。
「皆さん、初めまして。友利透華です。」
初めましてと彼女は言った。
言い間違えたんだろうか。
「皆さん、友利さんは交通事故の後遺症で、記憶を無くしました。」
先生の言葉にショックを受ける。
大きな後遺症も無さそうだと思っていた、午前の自分を殴りたい。
「友利さんは記憶が無いですが、学校で過ごす事により記憶を思い出すかもしれないので少しだけ登校してもらいました。」
今までの楽しかった事、全部忘れてるんだよな。
思い出を話す事、彼女と出来ないのか。
「さて友利さん、あそこの席が貴方がいた席です。」
先生が席を告げる。
彼女は言われた席に向かって歩む、自分の席の隣へ。
座るとこっちを向いた。
「えっと、初めましてじゃなくて、お久しぶりです。お名前教えてください。」
初めましてと言われ、名前を聞かれて結構メンタルにダメージが入る。
とは言っても彼女は悪く無いんだが。
「初めましてでいいよ、友利さん。俺の名前は川島秋太、友達だよ。」
ショックを受けている事がバレないように笑顔を浮かべ、そう答える。
「友達ですか。」
不思議そうだ。
そりゃそうだろう、比較的静かで優等生の友利さんと騒いでクラスの陽キャな自分はとある出来事が無ければきっと友達になんかなれなかっただろうし。
「そう、友達。友利さんが良ければまた一から、違うな。また0からの関係を、友達になろうとしてくれる?」
バレンタインの返事をしたかったんだけど、それも記憶を無くているだろうし、友達からでゆっくりとしていこう。
「はい、分かりました。」
まずは、敬語を外させる所からだな。
2/21/2024, 10:56:14 AM