しそわかめ

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君と出逢って

牡牛座流星群。毎年10月から11月の何日か、夜の9時から深夜まで、1時間に大体10個程度。いつの日からか、この流星群が、下記の楽しみのひとつになっていた。
一昔前、職業柄、夜空を眺める時間が圧倒的に多かったあの頃。もう何度目かになるタッグを組んで、ほんの少しの世間話を挟むようになっていた頃。いつもの様に、今日は牡牛座流星群が見えるはずですよ、なんて。その言葉に導かれるまま、何気なしに東の空を見上げた時、幾重にも連なる白い導線が、地上に降り注ぐかのごとく光り輝くのが見えた。今も詳細に思い出せる。あの景色、温度、君の息遣いと、俺の手にあった鉄の冷たさまで。

「なぎちゃん。今日何の日か知ってる?」
「えー、10月13日…。何かありましたっけ?」
「正解はねぇ、さつまいもの日」

もう日が落ちる。5時前の、少し影が指す事務所。そのソファーに沈みながら、事務作業に勤しむ相方を眺める。
「…冷蔵庫に、スイートポテトと大学いもがあります。」
晩ご飯の後に、空を見ながら食べようよ。

夜の世界から抜け出して、君と作りあげた僕らの世界。この場所からは、昼の喧騒も夜の星空も、どちらもとてもよく見える。
君と出逢って、夜空を見上げて。そこで初めて、いつもそこにあった光に気がついた。君が月明かりだと言うのなら、俺はその下で、いつまでも君を見上げていたい。

5/6/2024, 4:59:35 AM