啓太郎は考えた。静寂に包まれながらただ自分の心にある蟠りに触れる時間は平穏と呼んでよいものか。それが日常になればその蟠りはまた、自分の心を落ち着かせる平穏の一部となってくれるのだろうか。そんな事で心を悩ませながら彼は昨日出て行ったお淑やかで地味な女の姿を頭に浮かべた。彼女もまた平穏な日々を求めて砂時計と共に消えた様であった。
3/12/2026, 10:01:55 AM