#透明な涙
高校生の時、部活の顧問との折り合いが悪くて、悪いというか本当に人の心が分からなくて、無意識なんだろうけどお気に入りのみを贔屓するような人だった。私はお気に入りじゃなくて、経験者なのに初心者と組んで大会に連れて行って貰えないこともあった。お陰で私はポッキリ心が折れて、本当に鬱だったと思う。なんでもない一言、「ここが弱いね」みたいな本当にただのアドバイスだったと思うけど、それに全否定されたように感じて大泣きしてしまったりした。私のせいもあったんだろうけど、部内の空気が本当にダメになっていった。
ある日、贔屓されてる同級生の子もしんどかったんだろうね。一緒に泣き出したことがあった。その子の泣き方が、すごくきれいだったの。『ポロポロ』って擬音がぴったりな、涙の粒を零すような泣き方。私が顔ぐしゃぐしゃにしてブス晒してんのに、その子はまるで天使みたいにキレイな顔でキレイに泣いてる。「あー、こんなキレイに泣ける人って存在するんだ。こんなにも違うものなのか」って変に関心して、変に比べて、変に落ち込んだ。
そんだけの話。けどずっと忘れられない。泣き方に人生が表れる気がして、泣き方のキレイなあの子の満たされた人生とか、幸せそうな今とか、羨ましかった。『これから先もどうか幸せでありますように』なんて嘘でも思えないくらい、羨ましくて妬ましかった。愚か者の話。
1/16/2025, 2:12:00 PM