悲しいことがあった。
大切な人が亡くなった。
この世の終わりかと思うくらい泣いて、泣いて、泣いて、この先どうやって生きて行ったらいいんだろうって考えた。
ぽつんと自分だけ時が止まったかのように地獄の苦しみの中にいるのに、空はいつもの同じ場所にあって、世界は回り続ける。
ぽつんと一滴の雨が頬に落ちたかと思うと、一気に太い雨粒が落ちてきた。
「ねぇ、一緒に泣いてくれるの?」
空は何も言わず、雨を降らし続けた。
◆ ◆ ◆
嬉しいことがあった。
誰かにこの思いを共有したくてたまらないくらい、嬉しいことがあった。
でも、周りの人達は私がどんなに嬉しい事があったのかは、分からない。
激しく降っていた雨も上がり、太陽がアスファルトをキラキラと反射させ、眩しくて思わず空を見上げた。
今度は、一緒に笑ってくれる?
…………
【お題】空模様
8/19/2022, 3:06:17 PM