Ryu

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宇宙の果てや、死後の世界。
あるのかどうかすら、定かではないような場所。
そしてその景色。
まあ、生きてるうちに見ることは叶わないと思っている。
それでも一向に構わないが。
どちらも、日常生活からあまりにも離れすぎて、おとぎの国の話のようだ。
人間なんてちっぽけな存在には、山や川や海や空やビルくらいの景色で十分だと思う。
受け入れられるキャパシティってもんがあるから。

あとは…そうだな。
娘の結婚式や、孫の誕生、そして、自分がこの世を去る瞬間の景色。
これらまだ見ぬ景色を、いつか目の当たりにする日が来るだろうか。
この中でも、最後のひとつを見る確率が一番高そうなのが残念だが、他のふたつをあきらめてるわけじゃない。
宇宙の果てや、死後の世界とは違う。

いつか人類は、宇宙の果てに辿り着くだろうか。
死後の世界の存在を解明することは出来るだろうか。
きっと成し遂げると思う。
人間とはそういう生き物だ。
まだ見ぬ景色を、身近な風景に変えてしまう生き物だ。
ただ、それには時間が必要で、人の一生が終わるまでに実現出来るとは限らない。

きっといつか、娘達が結婚し、孫が生まれ、宇宙には果てが無く、死後の世界も空想であったことが明白になるかもしれないが、たとえどう転んでも、すべてが人の営みの為せる業だ。
見届けることが出来なくても、楽しみに待つ。
今の私には、それしか出来ないから。

1/13/2025, 11:03:42 PM