Nonexistent person

Open App

風を感じて

純黒の髪の毛が光に揺れる
空に藍が咲き誇る
土を踏めば目に見えない幸せが音を立てずに消えていく
目には微かな熱を孕む
口元には妖しい程に美しい朱が落ちている
浴衣に身を包み明るく笑う君は花火よりも美しく
この瞬間1番輝いていた。
季節は変わる
平和と涼しさを運んで何時もと変わらぬ風が吹く
君は今頃遠い街
誰かと幸せになっている
私を置いていかないで
其れは風に呑まれてどこかへ消えた

8/9/2025, 2:35:10 PM