通勤ラッシュの群から外れて、君と二人、目の前の喫茶店のドアを潜った。朝に相応しい爽やかなクラシックが流れる店の、奥のボックス席に座る。君が熱心に見つめているメニュー表を一瞥し、適当にコーヒーを注文しようとしたら、貧血に悪いと止められた。今度は、引っくり返っちゃいますよ。さっさと二人分の注文を済ますと、パタリと閉じたメニュー表で口元を覆った君がほんのりと微笑んだ。テーマ「ココロオドル」
10/9/2024, 1:12:26 PM