イオリ

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たとえ間違いだったとしても

 間違いは誰にでもある。ただそれをどう捉えるか、それが大事。

 世紀の大誤審といえば、なんといってもマラドーナの神の手だ。ヘディングと見せて左手でたたいてゴールした。相手のイングランドチームは当然猛抗議したが、判定は覆らず。当時はVARはなかったので、審判の権威主義が優先されたのだろう。

 その後マラドーナは悪びれもせず、神の手を使った、と言い放った。やはりスーパースターはメンタルが違う。

 と、ここまでの話だと、利己主義礼賛、というふうに思われるかもしれない。だがこの話は相手がいる話だ。相手にしてみればいい気はしない。

 イングランドのキーパー、シルトンは、マラドーナを賢い選手と認めつつも、全てを受け入れたわけではない。シルトンはこう言っている。
 
 彼と我々では哲学が違う。

 僕は素直にこの言葉はいいなと思った。

 勝利は確かに素晴らしい。でもいつも勝利するとは限らない。いい結果だけがあるとは限らない。勝っても負けてもそこに至るまでの何か、哲学なんて立派なものじゃなくてもいいから、僕も自分なりの何かを持っていたい。

4/22/2024, 10:25:46 PM