ゆか

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「世界の終わりに君と」

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─壊れかけの目覚まし時計を無気力な手で抑えつける。

「……今日で地球とさよならか、」


 事の始まりは1日前、僕は10秒感の静寂な世界を味わったあとに突如として、世界を包み込む、大きな金切り声のような音波とともに宇宙から来た知的生命体が攻めて来た。

僕はその出来事で一瞬意識がなくなっていた。そこで偶然隣りに居た君がすぐに僕を揺さぶってくれたお陰で、そこでようやく今の現状に気が付いた。



そこから1秒も経たないうちに緊急速報が周りの人のスマホに一斉に映し出された。

「───……えー、今。この日本に住んでいる人全体のスマホに半強制的に緊急で放送しています。これは世界に関する重要な情報です。どうか焦らず、落ち着いて聞いて下さい。…今私達が住んでいるこの地球、先程の音とともに来た人ではない何かから、「この星は36時間後に滅亡することになる」と地球滅亡宣言がされました。」

「あぁ…なんてこと…神様仏様女神様…!どうか私だけでもお助けください……」

手を合わせ、神に祈る者。恋人に会いに行く者、

泣き叫ぶ声、怒鳴る声、歓声…いろんな声が僕の耳に嫌でも入ってくる。


この悲惨な状況の中、君は僕に対してただ笑って…目を合わせて、小さな震えた声で呟いた。

「…ほんとは、ずっとあなたの事愛してたの。こんな時にごめんね。」

まさかの告白に僕は何も言い返す事が出来なかった。


 ─君と出会ったのは12年前、君は5歳で僕は6歳だった。
君は隣に引っ越してきて、引っ越しの挨拶に来たのが出会い。初めて会う僕に対して父の大きな体を盾にしてひょこっと大きなおめめを少し閉じてじぃっとこちらの様子を伺っていた。

 僕はそんな君に対して凄く興味が出たんだ。仲良くなりたくて精一杯の笑顔で、もう毎日のように
公園で遊ぼうと誘ったり家で一緒に本を読もう、と誘ったりした。すると、最初は冷たく断られたが、僕の気持ちが伝わったのか。だんだんと遊んでくれるようになり、少しずつ僕に対する警戒が解かれていった。中学生になった頃にはもう大親友になっていた。



──あっという間に時は過ぎ、僕達は高校生になった。
僕は遅生まれだったから同じ学年で、また君と一緒のクラスだった。

「ふふ、また一緒だね!」
 
 そう無邪気な笑顔でこちらを振り返る。僕の瞳には君しか映らなかった。
謎の感情が湧き上がってくる
…そんな気配を感じる、
胸が“トクン”と優しく脈を打ちはじめた。





 …僕の中でずっと眠っていた
初めての感情に、その時はまだ
気付かなかった。 






高校で

「好きな人はいるの?誰?」

と、クラスの女子に聞かれた。
僕は目を丸くして驚いた。
今まで考えたこともなかったのだ。

「好きな人…」

─ふと、脳裏に少し顔を火照らせ、僕に笑顔を向ける君の姿がよぎる。


ここまで読んでくれて有難うございます。♡が多かったらまた続き書こうかな…。少しお休みします

6/8/2024, 4:59:43 AM