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昔から私に叶えられないことは無かった

退屈なら、
本を読んだり勉強すればいい
痩せようと思えば、
適度な食事制限と運動をすればいい
お金が欲しいと思えば、
努力してお金を稼げばいい
1人が寂しいと思えば、
依存し合える恋人を作ればいい

なりたい自分や未来が見えているのなら
それになればいいだけの話だ

欲求に対して自分が出来る対処法がわかっていれば
その結果が現れてくることなど自明の理であって
それが幸せだなんて感じることは無かった

深夜に食べるラーメンが美味しいのは当たり前だし
恋人がいれば承認欲求が満たされるのは当然だ
全部当たり前の帰結だから
特別幸せを感じることなんてない
良かったなあとは思うけど心底幸福に浸ることはない

この話をすると
あなたは首がもぎれそうなほど頷いてくれた
そしてその後、
もし心底幸福だと思えることがあったら
お互いに教え合おうね、と
さぞ戦友のように力強く言い放った

でも私は、私の体は、
あなたの瞳が私を真っ直ぐ射抜く時
胃がじわっと蕩けて
喉の辺りに込み上げてくる何かを感じ取っていた


あなたを初めて見た時から予感はしていた
でも認めるわけにはいかなかった
認めてしまったら、
口に出してしまったら、
あなたの目の色が変わってしまうと思ったから

私は幸せとは何かを知っている
でも知らないフリをする
これからも、あなたのそばに居るために

1/4/2023, 11:42:38 AM