とある恋人たちの日常。

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 むかむかむかむか。
 お腹の中に嫌な感情が燻っていた。
 
 ――
 
 自分が所属している救急隊の中でイベントを開催することになった。
 そこで受付をすることになったんだけれど……参加者に仲のいい彼女が男友達と一緒に参加することを知った。
 
 むかむかむかむか。
 
 嫌な感情が身体を駆け巡る。
 彼女が楽しそうにしていればしているほど、上手く笑顔が作れない。
 
「お願いします!」
 
 そう屈託なく笑う彼女が胸を締め付ける。
 
 準備のために少し談笑するけれど、なんか納得いかなくてモヤモヤしてしまう。
 
「はい、行ってらっしゃい」
「はーい、行ってきますねー!」
 
 俺は今日スタッフで。
 彼女は別の人と参加していて……。
 
「俺が一緒に行きたかったな……」
 
 そんな、図々しい願い。
 
 
 
おわり
 
 
 
三〇五、叶わぬ夢

3/17/2025, 11:22:19 AM