黑 猫 @ 中 学 生

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高校生の時、雨が降っていた放課後。
親友が珍しく傘を忘れ、俺は仕方なく親友と相合傘をしていた。
その帰る途中の事だった。
「なー、親友、明日世界が終わるならどーする?」
「は?」
急に質問されてびっくりして、変な声が出た。
いや、自分の気持ちを見透かされている様でびっくりしたのかもしれない。
少し視線が泳いでしまった。
「だからー、明日世界が終わるならどーすんのって聞いてんだけど。」
いつも色々急すぎて困るが、今回は本当に困った。
「まじで急な質問だな。お前もうちょっと時と場合を選べよ…。」
と呆れた口調で言ったものの、声が少し震えていたのが自分でもわかった。
そう、俺は内心焦っていた。
こういう時、何と答えるべきなんだろうか、と。
本当のことを言うなら、
もしも世界が終わるなら、俺は───
「真剣に聞いてるからちゃんと答えて欲しいんだけど?」
親友の声に、俺ははっとした。
ダメだ。言えるはずがない。
無垢な顔をしてこちらをみる目に、俺は思わず顔を逸らしてしまった。
「…なー、隠し事してるだろ?」
親友が顔を覗き込んできた。
その目は、全てを見抜く様な目をしていた。
これはもう、観念するしかない。
「聞いて驚くなよ。」
「やっと言う気になったか。今更何に驚くんだよ。」
親友はジト目でこちらを見てくる。
やっぱり、この関係は壊したくない。
でも、親友に隠し事を続けるのは無理だ。
「明日世界が終わるなら俺はお前に今、言いたい。」
少し言葉がつまったが、勇気を振り絞った。
「…好きだ。」
親友が少し間を開けた後、顔を真っ赤にしてへ?と
小さく間抜けな声をだしたのを、今でも覚えている。

5/6/2024, 11:10:35 AM