401

Open App

今日の天気は晴れ。雲ひとつない快晴。
星が綺麗に見える日。
「主様。」
ボクは大好きな人に声をかける。
「良ければ、一緒に星を見に行きませんか。」
「もちろんいいよ。」と言う主様。
一緒に見れるのが嬉しくて心の中でスキップする。
「じゃあ行きましょ!」
今日は見張り台じゃない。外に。
「ふふ、元気だね。」
「だって、………いえ、なんでもないです!」
「…?」
今日は、少し大胆に出たい。
ボクも大人の男性だって。伝えたい。
外に出て、少し冷たい空気を吸い込む。
そして、空を見上げる。
空一面に広がる星。
綺麗で吸い込まれそうになる。
「綺麗…」
うっとりとした目で星を見上げる主様が
星より綺麗で。
ついじっと見てしまった。
「はい…本当…。」
綺麗ですね…。主様。
誰もいない。2人だけ。だから、だから…。
「主様。」
「ん?どしたの?」
そう言ってボクの方を見る主様。
「本当、お綺麗です…」
一言、そう呟いてボクは主様に口付けをした。
「ら、らむり…?」
照れている主様が可愛くて。
もっとしたくなってしまう。
「主様。ボクだって、一人の男です。」
どうか、少しは。ボクのことを男だって、見て。
耳まで赤くして俯いている主様。
小さく「うん…。」と返ってきた。
「ラム…リ…。」
真っ赤な顔で見つめてくる主様。
ああ、もう。本当に。
この人は…「次は容赦しないですよ?」
そう軽く言うけど、
ボクももう我慢はできそうにないです。
口付けをしたのは2人だけの秘密です。
ボクと主様だけの、秘密。

5/3/2024, 10:16:45 AM