散々な幸福

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私はこの世にいなかった。
私という存在を、私こそが、見ることが出来ない。
我思う故に我あり。そんなことはない。そんなことは、一欠片も思ったことはない。
私の魂は、私には見えないから。

だからいつも、誰かにこの内側をなぞって貰う必要がある。
私はいるよ、ここに生きていて、存在していて。
そしてそれを許されているよ、と。

目が覚めるというのは、私にとっては眠っているのと殆ど変わりがない。タスクがあって、1日がある。その差だけ。
だって向こう側にも温度や感情はあったから。

……こちらに、戻ってきて。
それでよかったと。嗚呼、居るなぁと。
微笑むことが出来るような一日を、私は毎日探している。

8/4/2024, 12:49:10 AM