もうすぐ卒業式
春からの新生活が楽しみで、
みんなが口にするサミシイにはピンとこない
これから始まる これから出会う
未来への期待で胸はいっぱい
草の芽が
空だけを見てからだを伸ばすように
早起きして登校するのが好きだった
ドアを開け 朝陽が差し込む静かな教室に
足を踏み入れるのが好きだった
私はいつも2番乗り
誰よりも早く登校してるあの子が
今朝も窓際の席で ゆっくり顔をあげて
「おはよう」と言う
胸がキュッと詰まった
この朝はもう二度と来ないのだ
「誰よりも」
#19
2/16/2023, 11:12:40 AM