たろ

Open App


「遠い日のぬくもり」


これは夢だろうか。
あれは幼い頃の私だろうか。
蹲って、地面に何かを書き付けている。
『ねぇ、どうして独り頑張ってるの?』
無邪気な顔が首を傾げている。
『誰も頑張ってる確証がないのに、どうして独りだけ頑張らなきゃいけないの?』
変なの、と無邪気な顔した幼子は、地面に向き直った。
「頑張って、乗り越えたら、自信がつくと思うの。何も無駄にしたくないし、経験した事は全て糧になるから。」
幼子は、こちらを見向きもせず、『ふうん』と気のない返事をして、地面に何かを書き付けている。
『―――なきゃ良いけど。』
風が2人の間を駆け抜けていって、聴き取れなかった。

12/24/2025, 1:06:31 PM