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願いが一つ叶うならば

「短冊になにかこうかなー!」
「健康になれますよーに」
「金がほすい」

私は、自分の事は書かない。
「今年」も。

短冊に触れたボールペンを、スケートのように滑らせる。
書くことはあの日を境に、毎回同じだから。

「短冊、書けた?」

え?

「ふふ、有彩っぽいね〜!」

ぽたぽた、涙が短冊に落ちる。

「美香…」

願いが一つ叶うならば、私は…

私は、またもう一度、美香に会いたい…

3/10/2025, 11:36:34 AM