絆とは深い関係、繋がりを指す言葉で、
だいたいポジティブな意味で使われる。なんかカッコイイ響があるから使いたくなるのかも知れないが、多用して乱発して欲しくない言葉でもある。
「愛」という言葉も、「絆」という言葉も、ここぞという場合にしか使いたくない。使って欲しくない。
せっかくの手の込んだ料理に、マヨネーズやら、ケチャップをどどっと掛けて台無しにするような、
多少不味い料理も美味しく食べられてしまう魔法の言葉。
なんでもかんでも「愛」「絆」さえ使えば誤魔化せるので、とても嫌だ。ナレーションとか、歌詞に簡単に使われると、醒める。
「絆(ほだ)される」という言葉もある。相手の熱意に負けて、つい助けてしまうような時に使われる。
典型的な例は倉田真由美の名作『だめんず・うぉ~か~』を読んでみよう。
傍から見ると取り柄のまるでない、ダメな男に貢いでしまう悲しい性(さが)を持つ女性の話である。
ダメであればあるほど、「あたしが着いてないと」と思って貢いでしまうらしい。
もちろん、男だって同じだ。大した事ないホステスに何十万、何百万、何千万円もつぎ込むケースはよく聞く。
「こいつは、俺が守ってやるんだ」などと思い込んでしまうのである。
こんな「絆」は嫌だ。恐い、恐い。
3/6/2024, 11:03:16 PM