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【書く練習】
[君と僕の散歩道:9君がいなくなっても]
 
 君がいなくなった
 涙はでなかった
 わかっていたはずなのに
 ただただ呆然として現実を受け入れられなかった
 
 君の好きだったもの、一つ一つ手にとって、そっと撫でる
 君の遊ぶ姿を思い出して胸が苦しくなった
 
 いつもの散歩コースを一人で歩いた
 僕の前にはいつも君が歩いていた 
 
 ああ、いつもこの辺で動かなくなったな
 立ち止まって空を見上げる
 いない君に話しかける 
 
  なんでここで止まってたのさ
 
  お前と一緒にこの景色を見たかったんだよ
 
 風が吹いて、草原がザザザと波打つ
 川辺の水はキラキラと反射していた
 確かに美しい、いつも見ている景色のはずなのに
 
  うん、確かに良い景色だね
  だろっ!
 
  …君が居なくて寂しいよ
  新しい犬を飼えばいいだろ
 
  いやだよ、僕は君がいいんだ
  女々しいやつだな
 
  …君のことが大好きだよ
  はずかしーやつ
 
 ふふっと笑みがこぼれた
 ああ、笑えるんだ、君がいなくなっても僕は笑えたのか
 
  さあ、帰ろうか
 

7/20/2024, 2:42:10 PM