「わたし『とうみん』するから!」
起きて早々のまだ小さな妹の突然の宣言に無様にぽかんと口を開けてつっ立ってしまった。しかし妹は本気らしい。床に蹲って大きなタオルケットに身体をくるりと包み、ほっぺをぷくぷくと膨らませながら必死に訴えている。空腹状態の私には大きな雪見だいふくにしか見えないが。
「ごちそうごはんいっぱいたべて、おなかいっぱいにして……ぽかぽかおふとんでねるから!ずっとねちゃうんだからぁ!」
そう言って雪見だいふくは顔まですっぽり収まってしまった。呆気にとられつつも両親に何事かと目線を送るが、母は眉を寄せて考え込んでしまっている。父に至っては妹の着替えのつもりだったのだろう厚手のトレーナーを手にオロオロしているばかりだ。
……これは非常に面倒くさいことになりそう。そして私の予感は的中するのだ。
11/18/2022, 2:35:09 AM