「ただいまぁ!!」
扉が開いて、玄関より大好きな彼の声が響いた。
彼女は準備していた夕飯の支度を止めて、手を洗ってタオルで拭きながら廊下に向かう。
「おかえりなさい!!」
彼は荷物を玄関に置くと、彼女のお出迎えに嬉しいのか満面の笑みを向けてくれた。
しばらく視線を逸らし言葉に詰まった後、青年は彼女に向けて両手を広げる。ぱぁっと輝かしく笑うと青年の胸に飛び込んで力強く抱きしめた。青年も彼女を包み込むように抱き締め返した。
「帰ってきたーって感じがする」
「うふふ、日課ですから!」
付き合って、一緒に住むようになってそれなりに経つ。それでも互いが帰ってくると必ずハグをするようにしていた。
これが、ふたりの当たり前。
おわり
お題:私の当たり前
7/9/2024, 12:57:41 PM