死にたい少年と、その相棒

Open App

  /これからもずっと

「ねぇ」
声をかけても君は無反応だった。目を閉じて、横たわって。まるで死んだみたいに眠っている。
「僕より先に死ぬなんて許さないからね」
聞こえているはずもないのに声をかける。こんなにも非生産的な事をするのは嫌いだ。なのに、辞められない。
「君が僕よりも先に死ぬ時は、僕が殺した時だよ」

ベッドに置かれた手を握る。

はやく、目を覚まして欲しい。

こんな雰囲気だけれど、別に彼がどうこうなっているわけじゃない。
単純に、彼は眠りが深いのだ。一度寝たら絶対に起きないくらい。だから、こうするのももう何十回目。彼には絶対秘密だけど。

「ねぇ、起きてよ。眠れないんだ。君が静かだと、つまらないよ」
肩を揺すっても、耳元で少し大きい声を出しても、鼻をつまんでやっても、彼は起きない。
だからたまに、本当に死んだんじゃないかって不安になる。

「ねぇ、起きてよ」

いつまで呼び続ければ、彼は起きるだろうか。
一度呼んだら起きてくれる日は来るのだろうか。

それとも、これからもずっと、このままなのかな。

4/8/2023, 1:26:22 PM