Yushiki

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『ああ、どうしよう。間違えた。失敗してしまった。ここから挽回できるだろうか。僕はきちんとこの問題に、対処することができるだろうか』
「大丈夫、大丈夫だよ。今日はとりあえず家に帰ってぐっすり寝よう。そうして明日になれば必ずきっと、その問題は解決してる」

『どうしよう、どうしよう。あれも足りない。これも足りない。いつかなくなってしまうかも。そうしたら、どうやって生きていけばいいのかわからない』
「大丈夫、大丈夫。まだこんなにあるじゃないか。無くなったりなんかしないよ。君が必要だと思ったときには巡ってくるもんなのさ」

『どうして、どうして。そんなことを言うんだ。そんな呑気に構えているんだ。君がそんな態度でいるから僕は不安になる。僕がこんなに不安になるのはぜんぶ君のせいなんだ』
「そうか、そうか。それは悪かったね。でも僕がこんなに落ち着いているのは、君がいてくれるからなんだ。君が胸の内を隠さずに打ち明けてくれるからなんだ。君が素直に気持ちを話してくれるから、僕は不安を抱えるのは僕だけじゃないんだって、安心できるんだよ」

『ごめんよ、ごめん。僕だって。君のせいじゃないって本当はわかってる。でも止まらないんだ。やめられないんだ。込み上げる不安を吐き出さないといられないほどに不安なんだよ』
「いいんだ、いいんだよ。君は君のままでいいんだよ。君の不安をもっともっと聞かせてくれ。僕は君の側にいる。だから君も僕と一緒にいてくれよ。僕には君が必要なんだ」



【安心と不安】

1/25/2023, 12:51:26 PM