貴女のために剣を振るった。
そんな貴女はもういない。
私と貴女が交われたのは、ほんの一瞬。
貴女は僕にこう言ってくれた。
「私を一生守ってね」
でも。
彼女の最期は突然訪れた。
彼女はこの国の王。
王がいないと、国は廃れていく。
だから、民たちにとって、彼女はかけがえのないもののはずだった。
だが、政治の全ての問題は王である彼女に押し付けられていたために、彼女を批判するものは少なからず存在していた。
そんな批判的な民が、彼女を殺し、次の王になろうと目論んでいた。
だから、私は彼女を守らなければならなかったのに。
私は彼女を守りきることは出来なかった。
最期の瞬間はこの目にしっかりと焼き付いている。
彼女が最期に私に言った言葉。
「ありがとう」
貴女は私の命の中で、一瞬の時しか生きていない。
私にとって貴女が全てだった。
あの日、「ありがとう」と言われても、私は私を責め続けた。
当たり前だ、私のせいで貴女は死んだ。
私がもっと強ければ貴女は死なずに済んだのに。
私がもう一度、貴女を守ることが許されるのならば、
私は貴女にこう言う。
「命をかけて守ってみせます。」
4/28/2024, 11:46:59 PM