マフラーを巻いて、僕たちは、銀杏の葉がちらちらと降る街を歩く。
桃色のマフラーがきみに似合っていてかわいいと思う。
そんなきみは
「はなればなれにならないように。」
と、まるで子供扱いするようなことを言って僕の手を繋いだ。
人が混んでるわけでもなし、ただ手を繋ごうとしただけだと思う。
なんとなくうれしい。
空気が冷たいから、よけいにきみの手の温度がわかりやすく伝わる。
きっと僕の手の温度もきみに伝わっているだろう。
繋いでる手から温度が行き来してる。
ほんとうに僕たちは今、はなればなれじゃないね。
「はなればなれ」
11/17/2024, 6:07:40 AM