時間よ止まれ
ーぎゅう・・・
「・・・!?」
夕方6時のサイレンが遠くから聞こえる、夕焼けの公園。
そろそろ帰らないと、と思って、さよならを告げようとしたとき。
ー君が僕の背中に抱きついて、顔を埋めてきた。
突然のことに声が出ない。というか、なんて声をかければいいのかわからない。
困惑している僕を放っておいて、君が小さな声で何かを呟いた。なんて言ったのかよく聞こうと耳をすませる。
「・・・時間よ止まれ」
肩越しに見える君の耳は、夕焼けのように赤い。きっと夕焼けに染まっただけじゃないだろう。
・・・そして僕の顔も君と同じくらい赤いんだろう。
結局、夕焼けが完全に沈んで暗くなるまで一緒にいた。
前回の時を告げるの続編です。(みけねこ)
9/19/2023, 12:26:38 PM