薄暗い軒下の乾いた土の上に丸まって、ゆったりと深呼吸をした。
この薄暗い軒下で私は生まれ、兄弟と一緒に育った。
母は毎日懸命に獲物を捕まえて私達兄弟を養ってくれていた。
私達が眠るまで毛づくろいをしてくれた。
母と兄弟と居る、それだけで幸せだった。
あの日、人間に捕まるまで。
母が捕まり、兄弟も捕まり、最後に私も捕まった。
生きる意味を奪われた私達は強制的に離れ離れになり、永遠のような長い月日を、私は孤独に過ごした。
もう一度、深く息を吸って目蓋を閉じる。
もうすぐ、開放される。
この無意味な一生から。
さむい、くるしい、さみしい、はやく。
私を終わらせて。
テーマ「だから、一人でいたい」
7/31/2023, 4:31:22 PM