『あたたかいね』
温かいと信じて握ったその手は、ひんやりとしていた。
冬のさなかに何故この手だけ温かいと信じたのだろう。
あなたをかたちづくるすべてが温かいと思っていたわたしはどれだけ子どもだったのか。
いつも温かいと疑い挟まず思われつづけたあなたは、もしかしたらつらかったのかもしれない。
あなたが流す涙は頬を冷たく濡らす。
それを知ったわたしは、あのときより、きっと幸せだから。だからわたしの手であなたの頬を包む。
わたしの体温があなたの体温にふれますように。
1/11/2025, 11:39:12 AM