黄桜

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目の前に悪魔がいた。教師という名称を盾に偉い態度で椅子に座っている悪魔が何か喋っている。唯一聴き取れたのは、なぜクラスに来てくれないのかと言うことだけだった。なぜ、そんなのは明確だろうに。クラスに行かないのは、そのクラスに問題があるから行けないのだ。更にその問題を起こしたのは、目の前のかつて人間だった教師だ。
かつての自分の姿を忘れてしまった哀れな悪魔は、まるで神かのように救いの手を差し伸べようとしている。けれど、実際はその手にあるのは救済ではなく地獄への道連れコースでしかない。だからこそ、私はこの悪魔を哀れまずにいられないのだろうか。もしかしたら、神も悪魔も元は同じなのかもしれないと考えてしまうのは、私がこの悪魔の対面に立っているからだろうか。

神と悪魔はいつでも向かい合わせの場所にいる。

お終い

8/25/2023, 1:06:31 PM