空の果てに行ってみたい。
私は真赤な太陽の昇る、空を見上げた。
一面の砂漠、砂の一粒は、灼熱の太陽に熱せられ、舞い上がる砂嵐は、砂丘の一部分を覆い潰している。
一足進む事に、サンダルに砂が入る。
キャラバンの人々の出で立ちは様々で、トーブ姿の男性や、クンマを頭に乗せた者もいる。
女性はわずかで、大抵は皆、体をすっぽり覆う布で隠している。
師匠と二人旅をしている私は、師匠に言われて、湖から水を汲んだ。
キャラバンが足止めたのは、このオアシスのためだ。
水を汲んだあど、私は出来るだけラクダに水を飲ませた。
本来ならば、砂漠の旅は、日中はこうやって、日陰で休みながら、歩みを進めることが多い。
木陰で、行商人と取引をする師匠は、多分また、コイン一枚に、一喜一憂しながら、北から持ち込んだ交易品を金に変える。
宝石や、双眼鏡、緻密な工芸品、ラクダに乗せた私の作った物品が売られる時、やはり私は、師匠に着いてきて良かったと感じる。
私に技術を教えてくれたのは彼だ。
師匠は、浅黒い手で、数字を示しながら、どうやら取引の見積もりをしているようだった。
7/16/2023, 10:20:47 AM