『時を告げる』
『あ、久しぶりだね!も~…ちょっとは顔出してよ!』
「だっ…だ、だって…ぃ、い忙しいんだってば……。」
いつも通り、彼女は僕に話しかけてくる。
『忙しい~?毎日家に帰ってはゲームばっかりやってるのにぃ~?』
「ぅ……ぐ…それ、それは……」
彼女に突きつけられた事実が、僕の心にグサグサ刺さっていく。
キーンコーンカーンコーン…
会話の終わりを告げるチャイムが鳴る。
「ぁっ、ああっじゃ、じゃあぼぼ僕は自分のクラス戻るからっ!」
そう言って教室から飛び出し、自分のクラスへ向かう。
『本当、そういうところ、律儀だなぁ~。まだ、時間い~っぱいあるのに。』
そんな言葉が、聞こえた気がした。
9/6/2023, 12:42:58 PM