昔から行事ごとには、あまり興味がなかった。だから、大抵、行事のことは頭にこびりつかず、次こそはと意気込んでみた時もあったが、半日も覚えていなかったことを今、思い出した。そんな事が、毎年繰り返されてはリセットされる日々を私は送っている。
今日は、七夕だ。私にとってはいつもの日常とちっとも変わらない。わざわざ、短冊に願い事を書こうとも思えず、とりあえず頭に浮かんだ願い事を脳に数秒記憶する作業を行った。おそらく、この願い事は半日も記憶されないことだろう。だが、それでいいのだと思う自分がいる。なぜなら、それは忘れるほどの価値しかない願いだと、私の脳はすでに答えを出しているからだ。
この苦しみが、誰にもバレませんように。なんて願い事を知るのは彦星と織姫だけだろうか。なら、都合がいいと言えるだろう。なぜなら、彼らは現実の人間達に干渉するなんて真似はしないと分かっているからだ。だから、私は形に残さず祈ることを選ぶのだ。
いつか、また、星に願いをかけて。
お終い
7/7/2023, 2:23:24 PM