たやは

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大好き

お父さん!大好き!
大きくなったらお父さんのお嫁さんになる。

子供のころからの私の口癖。
どこに行くにもお父さんのあとを着いて歩き、何をするにもお父さんじゃなきゃイヤと駄々こねていた。

それなのに、中学生のころからお父さんが疎ましくなった。
嫌いになった訳でははない。
でも…。
門限があるとか、友達は選びなさいとか、
勉強をしなさい、なんて言われたことはないのに疎ましくなった。
口を効かなくなった。
そんな私を見てもお父さんは「思春期だよ。しかたがないさ。」と寂しそうに笑っていたらしい。お姉ちゃんの話しだ。

ある日、お父さんが仕事で単身赴任することになった。お母さんは、私の進学のこともあるからと私とお姉ちゃんと地元に残ることにした。
先週、お父さんは単身赴任地へ行ってしまった。お父さんがいない我が家は、静かだ。いつも、お父さんの回りで誰かがしゃべり、お父さんは聞き役なのに笑声がたえない我が家。改めてお父さんは我が家の中心にいたのだと思う。 

数カ月後、赴任先でお父さんがケガをしたと連絡があった。ケガの話しを聞いた時、涙が溢れ、お母さんと慌てて列車に乗った。列車のなかでも涙が止まらない。

お父さん。死なないで。大好きなお父さん

お父さんはベッドの上にいた。ベッドの上でニコニコと笑顔で手をふるお父さん。
ちょっと。全然元気じゃん。
死にそうって言わないかった。お母さん!
お母さんを見ると涙でぐしゃぐしゃだった。お母さんも死にそうだと思っいたのだろう。おっちょこちょいだなぁ。

私も涙が止まらない。ぐしゃぐしゃだ。
なのに、お父さんはニコニコしてる。なんか癪に障る。おおげさでも、お父さんが生きていてくれて良かった。

お父さんを疎ましく思う気持ちは無くなった。また、大好きなお父さんに戻ったのだ。これからも大好きなお父さんでいて欲しい。

お父さん!大好きだよ!



3/18/2025, 12:23:33 PM