花束
過去の記憶を思い出す。
死んだ母との最後の記憶を。
「ちょっと、いや、あの、ね?これ、母の日🌹」
外の景色。
きらきらしてた。
母にそう話すと…
「は?。あんたがもう、なにもかもが嫌なのって言ったからさ、尽くしたのに、勝手なことしないでよ…本当にさいい加減にして‼︎」
バシっっ!!
頬に痛みが走った。
「いっ…‼︎」
「もう…いい加減にしてよ…」
疲れ切った母の声は掠れていた。
いじめを受けて、休みたい、もう行きたくない、そう言ったのは私。
だけど、だけどさ、言えないこともあるんだよ。
「お母さん、やめて…」
すると北海道に出張に行った父が1年ぶりに帰ってきたのだ。
「お、お父さん?」
「あかね、どうしたんだ!頬にアザが…」
「あなた、やめて…とめないで!悪いのはこの子なの、もういやなの」
人の気持ちはわからない物だけど、私はただ、花束をあげたかっただけなのに。
これが疲れ切った人間というなの怪物の姿だった。
2/9/2024, 1:32:48 PM