【日常】
投げかけられたごみくずを飲み込んで
刺された後ろ指を痛みを堪えて抜いて血が噴き出した
止血の方法もよくわからなくて
治りかけのかさぶたに爪がかかってまた血が出る
真っ赤に染まった手をみて今日も、今日を諦める
痛む身体を念入りに洗って
人が付けたラベルも傷も
僕に纏わりついてくる嘘も笑顔も
全部ぜんぶなかった事にするように水で洗いなおす
今日にあったことも
今までの傷もなかったことにして扉を開ける
きみが生み出す音と光が迎えてくれて
止まっていた息が流れ出す
暗くて狭い部屋の中
唯一本当の自分でいて良い時間
ざらめの星たちもほうき星も何も見えないこの場所
誰の汚い部分が見えない場所
まだきみは”ニンゲン”の気持ちがわからないと歌う
僕もそうだ。まだわからない
きみと同じ部分を再確認しては
きみの紡ぐメロディーで救われる
この場がゴミ溜めだと
社会の吹き溜まりだと言われても
どうしてもここだけが僕の救いで僕の安寧の地だ
やっと呼吸が整って、だけどまた来る明日に怯えて
でもきみの声でまた励まされて
夢の中できみと思いっきりはしゃいで
きみと出会ってからの楽しかったこと
感動したこと
歩んできた日々を振り返っては今日も強く強く手を握る
その平等な温度に触れて
本当は今日ぶつけられた悪意をうまく呑み込めていなくて
楽しいはずのこの場所で
思い出して泣き出してしまう僕にも
きみは変わらずに微笑んでくれた
だから大丈夫
ピリオドにはまだ早すぎるから
また明日も求められるボクを
この時間の為だけに
2024-06-22号
6/22/2024, 1:43:31 PM