ヨルガオ(短編小説)

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春泥の上を君と僕とで走り抜ける。

「どこに行くの!?」

『え!?わかんない!!』

『どっか遠いところまで連れてって!!』

ガタガタと激しく揺れる。

君は落ちないように強く僕を掴む。

この鼓動、君に伝わらないよな。

…違う違う。

自転車を漕いでいるから心拍数が上がってるんだ。

別に………違う、はず。

………それに

君だってドキドキしてる。

これはただ叫んで楽しいからだよね。

……きっと。


ー自転車に乗ってー

8/14/2023, 12:00:00 PM