『脳裏』
あの出来事は最悪だった。
友達だと思っていた相手に急に押し倒されて
抵抗も虚しく終わってしまったあの日。
相手からの好意がこれほど
悪い方向に向かうことがあるのかと初めて知った。
それと同時に相手を好きになることは
相手に迷惑をかけることと思うようになってしまった。
好きな人がいてもその好意が
相手を傷つけてしまうんじゃないか。
人を好きになんてなれないし、
なってはいけないとも考えるようになった。
あの日の出来事がどうしても脳裏によぎってしまう。
友人という皮を被った何かの血走った目を。
興奮して手首を強く握られたあの感覚を...
相手にそういうことをしてしまったりされる可能性が
少しでもあるのなら...
私は1人でいい。
語り部シルヴァ
11/9/2024, 3:49:22 PM