あなたの姿が光ってみえる。
きらきら、きらきら。
ああ、もうお別れの時間なんだな。
ここには時計がなく、再会の時間をゆったりと過ごせるを代わりに、召喚霊魂の降臨可能時間が残り10分になると、霊魂の輪郭は少しずつ輝きだす。そして最後には光の粒になって消滅し、元の世界へ戻ってしまう。
今日、日頃の善行で積んだ徳すべてを神様へ渡して、私はあなたとの再会を願い出た。長年の思いは叶ったけれど、やっぱり、ちっとも足りやしない。いっそ私もあなたと同じ世界へ飛んでいってしまいたい。
けれど、それだけは、地獄へは堕ちて来てくれるなとあなたが最後に告げた言葉がまだ私を繋ぎとめている限りは、叶わない願いなのだ。
触れ合えない手と手、お互いの両の手のひらをぴたりと重ねて残された時間を慈しむ。
さようなら。
きらきらと消えていくあなた。
いつか、また、あいましょう。
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きらめき
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所感:
徳を捨てたってことは。
9/6/2024, 9:57:54 AM