君と歩く。人気の少ない路地をザリ、と砂を鳴らす音を立てながら。オレンジの光に影が長く伸びる。何か話すわけでもなく、ただ並んで歩く。ずいぶん涼しく感じられるようになった風を受けながら、僕は思う。これから、もっと気持ちよく君と歩ける時間が増えると。そっと君に手を伸ばす。君は暑いからと手を跳ね除けることなく、柔らかく指を絡めてくれた。嬉しい。心なしか歩調が浮きだった。明日はどこに行こうかな。
10/1/2024, 6:14:04 PM