♯軌跡 新天地で大学生活を始めるため、実家の部屋を整理していると、押し入れの奥からアルバムらしきものを見つけた。 私は手に取って矯めつ眇めつ眺める。表紙には達筆な字で『軌跡』とあった。 これ、小学校の卒業文集だ――。 次の瞬間、地中深くに埋めて見えないようにしていたものが、炎の柱とともに激しく噴き上がる。 私は触れるもおぞましいそれを叩きつけていた。――捨てる物、とマジックで乱雑に書かれたダンボールの中へ。
5/1/2025, 3:08:41 AM