夏色さいだー。 中一

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「雨に佇む」

雨に佇んじゃった。
心臓の奥らへんがきゅう、て痛くて。
お前が頭の裏に滲みやがったので。
ひとりで、雨に佇んだ。

笑って痛かったあの頃が。
そっと、胸の奥で無いていった。
サイダーみたいなお前の笑顔が。
青くて、蒼くて、あおかったから。

みんなの言った「なかないで」が。
心を優しく腐らせてった。
お前の言った「ないてええよ」が。
肺に夏を残していった。

お前の忘れた夏のいつかと。
俺の落とした夏のサヨナラ。
「ごめんね」も「いーよ」も言わないで。
八月の雨に、佇んでるの。

雨を知らないあの頃が。
ただ俺に笑いかけてやがる。
ふざけんな、て、小さく吐いて。
やっぱり雨ん中、突っ立ってんだ。


八月最後の雨に佇んでるから。
大きな傘を差しに来て。
そしたらもーちょい、生きてみるから。
肺に残った夏を吸うから。

九月も夏に、佇んでるから。

8/27/2024, 11:38:51 AM