布越しに体温を感じた。
生きている。
かくっと、彼女の頭が肩に落ちてきて目覚めたらしい。
「あ、ごめん。また寝てた…」
「いいよ、寝ててよ本調子じゃないと思うし…」
そんなことないよ?と、彼女は瓦礫に潰されていた脚を見せる。
やめてくれよ女の子がそういう事するの…。
傷跡はほとんどない。骨も皮膚も神経もきちんと繋がった。腕のいい回復術師のおかげだ。
「そういうのじゃなくて…」
「まだ仕事残ってるのよ、ちょっと休憩するとすぐ眠くなって中途半端になっちゃうからいけないね」
立ち上がろうとした君をよいしょと抱き上げる。
「きゃ」
「いいよ、僕がやる。避難民の天幕と…食事?それくらいやらせて」
「でも…」
「僕が前に出なきゃいけないんだ」
生きていていいと君は言ってくれた。
愛していると、君は言ってくれた。
「呪いの子である僕の子は…この子は祝福される?この国に。君さえ…」
ベッドに彼女を降ろして、まだ線の目立たないお腹に触れた。緊張したように硬い。
君さえ許してくれるなら、何処か誰も知らない所に…と、言おうとした時だ。
「当たり前だよ」
僕の手に彼女の手が重なった。
「この世に祝福されない生命なんてない」
瞳に悠々とした輝きを持って応える君。眩しくて鼻がツンと痛くなる。
「泣き虫ね」
そして僕を、子供にやるように頭を撫でてくるから彼女の額にキスをする。
君に会えて良かった。
たとえ間違いだとしても
4/22/2026, 3:23:30 PM