大好きな君に
風を あずけて 明日を 聞く
僕らは 何回 この 太陽を めがけて
大きく 息を 吸った だろう?
雲が 覆った この丘を
凪いで Tシャツの 帆を 広げて
限界まで 息を 吸う
坂道の 途中で 息が 苦しく なって
それでも 坂の 上の 景色が 見たくて
いつか 君と 話した 大きく 広がる 空は
いつ頃から 蠢く 本能を
見上げた 空の 雲の 形を
いくつもの 夢を えがいた だろう?
流れ行く 雲たちは 僕らが いつか
大人に なって 順風を 浴びながら
ペダルを こいだ 坂道を 全速力
鼓動に 任せて 駆け上る アドレナリンが
迸る 呼吸が 進化を 遂げて
限界まで 疾走る ビートが 加速を 上げてる
行き着く ところまで いかなきゃ
どうなるか わかんないよ
とにかく 大好きな 君に
太陽が 熱く 呼んでる
この坂の 上に 輝く 太陽を 捕まえて
君が ぎゅっと 捕まった Tシャツが
反射する 夏風を 追い越して 疾走る
アナザーソング
あなたの 正面から 映る 顔は
鏡の中 違って見えた
夏色の 少年の 面影を 讃える
その影は 見えない 向こうへ 伸びてく
音叉の 波の中 透明の 明け方に
金色の 瞳の 奥へと
星影は 幾千の 街明かりを 照らして
何万の 人たちが 語り合う
その日を 昨夜に ともして
何回目の 春が来て やがて 人は 彼方を
その 在り処さえ 今は 過ぎてく
風の 音の 向こうに 無辺の 嵐よ吹け
咲いて まだ 春が来て
過ぎゆく 花は まだ 香る 春が来る?
夜の 果に 花は 散るらむ
野辺ふく 風よ 待つらむ 人は来る?
やがて 幾千の 願いの 向こうに
街の 上に 星が 光る 夜を あなたと 見上げて
アナザーソング
向こう側の 景色に 映る 星影は 夜も 明るく
あんなに 待っていた 夏だって
もうすぐ 風が 過ぎ去って
顔を 撫でる 風は まだ 冷たく
丘の 上照らす 月影は 返事を まだ 遠く
でも 待っていて 大声よりも
駆け上がる 鼓動が 心臓を 押すけれど
もっと 待っている 街の灯りは
見えない向こう 空の下 輝きを 放つから
あなたと ふざけあった 星の下
昨日とは 違う 明日先 ペンで なぞる あいのしるしを
覚えた 言葉は 何回でも 叫ぶから
さりがたし 季節は 移ろい 君を 少し
忘れていきそうだけど
あんなに
広く見えた 空はない この風に 祈りを込めて
君に歌うよ
アナザーソング
ずっと ずっと 奥の そこから
遥か 彼方 水平線から 吹き抜けた 風が
沸き立つ 血液が
深海の ような 暗闇の 中で ざわめく
満月が 僕を 変えるため
何度も 何度も 脈を 変えていく
止まった 時間は 今も
瞬間に 飛び散る 閃光の ように
消えていく 儚い 存在さえも
重力の かけ方を 今は 探して
湧いて 泣いて 狂った ワルツに 戸惑う
稲光が 窓から 光って
旋律を 歪める 音階は 水の中に
潜った 音のように
消えかけた 日々を 彷徨う 膨大な
喪失を 振り切って 夜を 生きる
3/5/2024, 4:15:48 AM