私は今、部屋の中を漠然と見ている。
目に入る物の名前を認識せず漠然と見ている。
ふとここで物の名前を意識してみる。
それまで自由に広がっていた世界が
名前をつけたり認識した途端
凝り固まった小さな物として捉えてしまう。
結界が張られた
個として際立った
と言ってもいいかもしれない。
よく分からない人は
「役割が決められきってしまった」
と捉えてくれてもいいが、
この話はそこに留まらないことだけ
留意してほしい。
しかし名前には反対に
世界を跳躍する能力も持っている。
そこに風を送っている物がある。
羽根が回転している。
名前は「サーキュレーター」。
そう聞くだけで、
ただ回転して風を送っていただけの物体が
他の物より静かに遠くに
風を送っているイメージが思い浮かぶ。
目の前に広がる世界より
より多くの情報を伝えてくれる。
11/11/2024, 11:07:22 AM