towa_noburu

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「手のひらを広げてごらん?君にだけおまけだよ。美味しい宇宙をご賞味あれ。」
そう言って、駄菓子屋のお婆さんは、僕の手のひらに金平糖をおまけしてのせてくれた。手のひらで夕日に照らされてキラリと光る金平糖はさながらお星様みたいだ。「お婆ちゃん、ありがとう。」金平糖を一粒手にとって口の中で噛み締める。甘い。そうか…宇宙に味があるならば、甘いのかな…なんて考えながら、目を閉じて味わった。不思議と、瞼に美しい天の川銀河や宇宙船が横切った気がした。あ、箒星だ。ぶ、ぶつかる!
僕は焦って目を開いた。心臓の音がうるさい。不思議な体験だった。
僕の想像力も捨てたものじゃないかもしれない。あるいは、この金平糖を食べた事で、本当に宇宙を透視したのかもしれない。
駄菓子屋のお婆さんは僕を見て満足げに微笑んだ。

1/18/2025, 10:45:18 AM