名前の無い音

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『クリームソーダの色』

自分の好きな色 と 自分が似合う色
これが同じではないと気づいたのは
結構 大人になってからだ

昔から 気づけば『きみどり色』のものばかり
選んできた気がする

父には
「アマガエルの呪いだ」
と 言われているが
呪われるほど アマガエルとふれ合った記憶はない

※ ※ ※

小学1年生の時 うまれてはじめて
『クリームソーダ』というものを知った
アイスとジュースが一緒になってて
しかもジュースは炭酸だという
炭酸は 未知の体験だった

「お待たせしました~」

届いたクリームソーダは
透き通った緑色に白い帽子が
よく 似合っていた

初めて混ぜたクリームソーダ
あの混ざりあった色を 私は忘れない
忘れられない

何年たっても
何十年たっても
あの時の なんとも言えない
幸せな気持ちを 忘れられない

きみどり色のものを手にとると
なんとなく あの時の 幸せな気持ちが
よみがえってくる


今の自分は 子どもの頃の 記憶や経験
それの延長線上で 生きている
外見が変わっても 年を取っても
中身にはいつも あの頃の自分がいる

つまり大人は
『子どもの頃の自分に操縦されてるだけ』なんだな

あぁ 自分よ
操縦は慎重頼むよ
もう 結構使い込んで
オンボロになってきたからさ




5/12/2022, 10:56:38 AM