蒼月の茜雲

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テーマ“スリル”

なぜ人は、スリルを求めるのだろう。

ミステリー小説やミステリードラマのスリル
ジェットコースターやバンジージャンプと言うスリル

その中でも…
恋愛のもつれと言う現実に起こり得るスリル…。

わざと起こしている訳じゃない人が殆どだろうが
中には…
自ら、スリルを味わうためだけに
そう言った事をする人も居るだろう。

ーーー
「アヤミの彼氏カッコイイよねぇ」
「そう?うん。カッコイイの」
アヤミは、ニヤニヤと破顔する。
「アヤミも可愛いし、すっごいお似合い」
「そんな事…」
無いよとアヤミは続けない。
「あー、私も、アヤミの彼氏みたいな彼が欲しい」
「大丈夫、ミチエ可愛いから、すぐ出来るよ」
そう。こんな会話をしていた。


その日から数週間後
喫茶店のテラス席。テーブルの上
アヤミ側にはグラスに入った水が置かれ
ミチエ側にはアイスレモンティーが置かれている。
「ねぇ!何で?」
アヤミは、鬼の形相で、ミチエに詰め寄っている。
「え?何が?」
突然、怒鳴られて困惑している様子のミチエ。
「アンタ、私の彼氏と…」
「ああ、その事。」
ミチエは、つまらなそうな表情をして
「だって、アヤミの彼氏みたいな彼が欲しかったし?だったら、アヤミの彼氏と付き合えばいいんだ!って。」
そう言った。
「おかしいよ!」
アヤミは、泣き出しそうな顔をする。
「そうかな?…でも、やっぱり顔だけの男は駄目だね。」
反対にミチエは、あまり興味なさそうに、自分のピンク色のネイルを見つめている。
「なん…」
「他人の彼氏奪うって、もっとスリルとか味わえてサイコーだと思ってたのに。案外あっさり付き合えちゃってつまらなかったよ」
「はぁー!?私がどんな気持ちだったか」
「んー…まだ、やり直せるから大丈夫じゃない?」
「無理…もう。無理…。」
「水、かける?私の事殴る?」
何故か、恍惚そうな顔をするミチエ。
「しないわよ!もう、二度と会わないから!」
そう言って、走り去る、アヤミ。
「つまんないの。」
ふう、と息を吐き
立ち上がるミチエ。

もう少し、略奪愛のスリル味わいたかったのに…。

そう思ったミチエは、後ろから誰かに突き飛ばされ……

(世にも奇妙な物語観た影響でこんな感じの終わり方)

11/12/2022, 3:35:38 PM