別に、あなたのことを想い続けているとかじゃないけれど。ふとした瞬間に思い出す。雨の日にパスタを食べたときとか。ヒールが高めのパンプスを履いたときとか。ささやかな日常にあなたがいたことを少しだけ実感する。
未練があるのかしらと自虐的に笑って、とはいえ嫌な記憶ではないから怒りも悲しみも湧いてこない。あなたがいなくなった日々を感慨もなく生きている。たぶん明日には忘れている。
でもきっと。たとえば新しい恋をして、結婚して、子供が出来たとしても。別にそんなに嫌いじゃなかったから、ささやかな日常の中でたまにあなたを思い出すのだろう。これからも、ずっと。
4/9/2023, 5:35:49 AM