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長い壁の横にある細い小道を歩いていた。
冷え込みのせいか、足元の靴がぽくぽくなる音だけが温かに感じられる。
生きているものが出す音だからだと思う。
熱のある音だ。
枯れ果てた葉っぱがくるくるまわり、はねていくが、乾いていて冷たい音しかたてない。
空は薄曇りで、暗く、
頬が痛いほど、空気が冷たい。
肩に違和感があったので、触ると、髪の毛の先が凍っていた。触れると、手の温かさで少し、溶けた。
息をひとつ吐いて、小道をひたすらまっすぐ歩く。
この地域にはもう、自分以外には生きている人間はおそらくいないだろう、
その事実に
寒さがさらに身に染みていく。

1/12/2023, 12:04:12 AM